PRACTICAL RECIPE

経理の月次集計と請求書チェックをAIに任せる

月末の電卓とにらめっこをやめます。台帳を渡すだけでAIが月次サマリを組み立て、請求書との食い違いを一覧にして返します。あなたは数字を確かめて承認するだけです。

想定45難易度: 基礎費用: 手元のAIアプリの無料の範囲で完結します。新しい会計ソフトや集計ツールを契約する必要はありません。台帳の行数が数万行を超えてきたときだけ、上位プランを検討してください。最終確認日:2026-08-15
COMPLETED IMAGE

完成イメージ

積み上がった売上台帳と請求書をAIが集計し、合計と前月比が入った月次サマリ1枚にまとまるまでの流れを示した図

渡すのは台帳だけ。集計も突き合わせも、返ってくるのは1枚のサマリです。

月末に売上台帳を開いて、電卓とにらめっこしながら合計を出し、請求書の綴りを1枚ずつめくって金額が合っているかを確かめる。この数時間が、台帳を渡してひとこと頼むだけに変わります。特別な会計ツールは要りません。使うのは、いま手元にあるAIアプリ1つだけです。

集計の速さは、賢い道具ではなく台帳の整い方で決まります。同じ相棒でも、列の意味がバラバラなら答えは怪しくなり、1行1件・列の意味がそろった瞬間に一発で当たるようになります。Level 6「AIが扱いやすいデータを作る」で学んだことが、いちばん数字で効いてくる場面です。

BEFORE YOU START

必要な知識

CSV

売上台帳を、AIがそのまま読める行と列の形で受け渡しするための形式です。

Level 1 教材へ

Markdown

できあがった月次サマリを、見出しと表で人にも読める形にしておく書き方です。

Level 1 教材へ
SERVICES

必要な外部サービス

経理の月次集計と請求書チェックをAIに任せる で利用する外部サービスと費用
サービス名用途費用
手元のAIアプリ(相棒)売上台帳を読み、月次サマリと請求書の突き合わせ結果を作る無料で試せる
無料の範囲で試せる。台帳が数万行を超えたときのみ上位プランを検討
表計算ソフト(ExcelやGoogleスプレッドシート)売上台帳の原本を置く場所と、できあがったサマリの確認に使う条件により課金あり
すでに社内で使っているものをそのまま使うため、追加の契約は不要

始める前の安全確認

会計データには、そのままAIへ渡してはいけないものが混ざっています。

  • 取引先の担当者名、個人事業主の氏名、口座番号、クレジットカード番号は、渡す前に伏せるか列ごと外します。集計に必要なのは金額と日付と区分であって、誰の口座かではありません。
  • 原本のファイルは触らせません。必ず作業用のコピーを作り、コピーだけを渡します。 集計の途中で数字が書き換わっても、原本が無事なら何度でもやり直せます。
  • 勤務先にAIの利用ルールがある場合は、会計データを渡してよいかを先に確認してください。判断がつかないときは、金額を10分の1にしたテスト用の台帳で試すところから始めます。

ここだけは人間がやる

AIに任せない

集計も突き合わせも表づくりもAIの仕事です。それでも次の4つだけは、あなたが決めてください。

  • 渡してよいデータの線引き — どの列を渡し、どこを伏せるか。中身を知っているあなたにしか決められません。
  • 数字の最終確認 — 合計金額と件数は、必ず原本と突き合わせます。AIは計算を間違えることがあります。
  • 食い違いの扱いの判断 — 「これは値引き」「これは請求漏れ」と決めるのは人です。AIは候補を挙げるところまでです。
  • 社外へ出すときの承認 — 取引先や税理士へ渡す資料は、あなたが目を通してから出します。

いきなり1年分じゃなくて大丈夫! まずは先月ぶんの1か月だけで試そう。答え合わせができる月を選ぶのがコツだよ。

6 STEPS

作り方

計算式を組む作業はありません。あなたがやるのは、何を出したいかを伝えることと、返ってきた数字を原本と照らすことだけです。

  1. 使う台帳を1つ選び、作業用のコピーを作る

    先月ぶんの売上台帳を1つ選びます。答え合わせができるように、すでに手作業で締めた月を選ぶのがおすすめです。デスクトップに「月次作業」というフォルダを作り、台帳のコピーと、突き合わせたい請求書の一覧をそこへ入れます。原本はいつもの場所に置いたままにしてください。

  2. 渡してよい列と、伏せる列を決める

    ここだけは人が決めます。台帳を開いて、列の名前をざっと眺めてください。集計に要るのは、日付・取引先の区分・品目・金額・件数あたりです。担当者名や口座番号の列は、伏せるか削ります。迷ったら「この台帳の列のうち、月次集計に本当に必要な列はどれか、質問しながら一緒に絞って」と相棒に相談すれば、一緒に決めてくれます。

  3. 月次サマリを作ってもらう

    ここがこのレシピの心臓です。出したい数字と、誰に見せるものかを伝えるだけで、読み込みも集計も表づくりもAIが引き受けます。あなたは出てきた表を眺めて、意図とずれていないかだけを確かめます。

    売上台帳から月次サマリを作ってもらう指示文
    「月次作業」フォルダの中にある売上台帳を読んで、先月ぶんの月次サマリを作ってください。
    
    私は非エンジニアです。計算式やコードは私に書かせず、あなたが用意してください。
    
    出してほしいもの:
    - 月の売上合計と、件数
    - 取引先の区分ごとの売上合計(金額の大きい順)
    - 品目ごとの売上合計
    - 前の月と比べた増減(金額と割合)
    
    守ってほしいこと:
    - 台帳の原本は書き換えず、結果は新しいファイルに出す
    - 金額が空欄の行、日付が読めない行は、勝手に0とみなさず「確認が必要な行」として最後にまとめる
    - どの列をどう使って集計したかを、専門用語なしで1行ずつ説明する
    
    この結果は社内の月次会議で共有します。まず集計の方針を説明してください。私が「進めて」と答えるまで、実行はしないでください。

  4. 請求書と突き合わせ、食い違いを出してもらう

    サマリができたら、そのまま突き合わせを頼みます。「台帳にあるのに請求書がない」「金額が違う」「同じ請求が2回」の3種類を一覧にしてもらうのがコツです。ここでAIが出すのは候補であって結論ではありません。1件ずつ「これは値引き」「これは請求漏れ」と判断するのは、あなたの仕事です。

    台帳と請求書の食い違いを洗い出してもらう指示文
    さきほどの売上台帳と、同じフォルダにある請求書の一覧を突き合わせてください。
    
    次の3つに分けて、表の形で出してください。
    1. 台帳にあるのに請求書が見当たらないもの
    2. 金額が一致しないもの(台帳の金額と請求書の金額を並べる)
    3. 同じ取引に対して請求が二重になっていそうなもの
    
    守ってほしいこと:
    - 1件ごとに、なぜそう判断したかを1行で添える
    - 確信が持てないものは「要確認」と正直に書き、勝手に結論を出さない
    - 金額の単位や税の扱いで迷ったら、私に質問してください

  5. 合計を原本と突き合わせ、人の目で確かめる

    最後は必ず人が見ます。見るのは3点だけです。月の売上合計件数「確認が必要な行」の中身。手作業で締めた月を選んでおけば、合計が一致した瞬間に「この頼み方でいける」と分かります。ずれていたら「合計が私の手元の数字と違います。どの行の扱いが原因か調べて」と、そのまま伝えれば追いかけてくれます。

  6. 翌月も同じ言い方で回せるようにしておく

    うまくいった指示文は、そのまま来月の資産です。「いまの手順を、来月そのまま使えるように1つの指示文にまとめて」と頼めば、清書して返してくれます。ダッシュボードの保存したプロンプトへ置いておけば、翌月は貼るだけで済みます。ここまで来たら、このレシピは完了です。

AIへの頼み方例

頼み方に正解はありません。次の文はどれもそのまま貼って使えます。自分の台帳に近いものを選んでください。

  • この売上台帳を読んで、先月の売上合計、件数、取引先ごとの内訳を表にして。原本は書き換えないでください。

    いちばん短い頼み方
  • この台帳は列の名前がそろっていません。集計しやすい形に整える案を出して。どの列をどう直すか、理由つきで先に見せてください。

    列の意味がバラバラなとき
  • 台帳と請求書を突き合わせて、請求が漏れていそうなものを一覧にして。確信が持てないものは「要確認」と正直に書いてください。

    請求漏れを探したい
  • 合計が私の手元の数字と違います。どの行の扱いが原因か調べて、考えられる理由を3つ挙げてください。

    数字が合わないとき
  • この月次サマリを、経理を知らない役員に3分で説明できる形にして。増減の理由の見立ても添えてください。

    会議用に整えたい

AIにこう聞いてみよう

準備はいらないよ。答え合わせができる月の台帳を1つ思い浮かべて、下の文を貼るだけ。伏せる列を決めるところから一緒にやろう!
AIへ入力する指示
毎月の「(月次集計の名前)」をAIに任せられる形にしたいです。手元に売上台帳のファイルがあります。

私は非エンジニアです。計算式やコードは私に書かせず、あなたが用意してください。次の順で進めてください。
1. まず、この台帳のうちAIに渡してよくない列(個人名・口座番号など)の見分け方を教える
2. 次に、月次サマリに載せる項目を私に3つほど質問しながら決める
3. そのあと集計の方針を説明し、私が「進めて」と答えるまで実行しない
4. 最後に、合計金額を私が原本と突き合わせる手順を示す

(ここに、台帳ファイルの場所を書く)

返ってきた説明が難しかったら「専門用語を使わず、たとえ話で説明してください」と足すと、ちょうどいい深さに戻せます。

1か月ぶんが通れば、あとは同じ言い方の繰り返し。次は四半期のまとめでも、経費の集計でも、好きなところへ広げていけるよ!

GOAL CHECK

完成条件チェックリスト

完成条件

完成条件 6件のうち 0件を達成

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